スピンコーターと膜厚の関係性

スピンコーターとは、高速回転の遠心力を使い平面な基材に塗膜を構成させる装置です。いかに理想通りの塗膜を得るか、それにはスピンコーターの能力と共にスピンコーターをお使いいただく技術者の経験則に基づく環境設定が大きく影響します。

そこで重要となるのが回転プログラムの構築です。

アクティブのスピンコーターは、現在抱えている課題や要望に合わせて細かな設定をすることができます。 10ステップ・100パターンで様々な条件の設定が可能です。1ステップの動作で「回転数」「加減速時間」「キープ時間」を同時に設定できるので、簡単に思い描く環境を実現できます。

上記仕様は全機種に標準装備されておりますが、さらに必要なオプションを追加したり、特注カスタマイズすることによりお客様専用のスピンコーターとなり、今まで実現できなかったスピンコート動作環境を作り出すことも可能です。

膜厚のムラを抑え、正確な試験を行いたい場合はぜひスピンコート技術に定評のあるアクティブのスピンコーターをご活用ください。アクティブのスピンコーターは、100Å~100μmの範囲で実績があります。

スピンコートにて塗りたい薬液と基板がスピンコートに適しているのかお悩みの方向けに、サンプルテストも行っております。塗布対象となる基板とコーティング用薬液をお送りいただく、あるいはお立ち会いのもとで行います。是非ご活用下さい。

スピンコートによる均一な塗膜生成方法とは

どのような手法を採用するにしても膜厚を一定にするためには技術が必要ですが、スピンコーターは高品質の塗膜を効率よく均一に生成するのに長けた手段です。

薬液の粘度だけでなく、温度など環境の変化によっても条件は変わっていきます。求める均一性の精度はお客様によって異なりますが、デリケートな基板、薬液であればあるほど少しの変化で膜厚を均一にすることができなくなります。微妙なズレが膜厚の条件を変えてしまい、結果的に膜厚のムラに繋がるのです。

こうした難しい問題を解決するために、技術者の方は様々な条件を設定し実験を重ね適切な条件を探り出します。スピンコーター自体の性能を上げること、スピンコーター設置場所の環境を整えることも有効です。

例えば「自動滴下」を採用することで、手動ではどうしてもブレがでてしまう滴下量・滴下位置を揃える事ができます。滴下量と求める精度に応じた滴下機構を選べばより使いやすい装置になります。

連続運転におけるカップ内温度の上昇による膜厚変化を抑えるためにはスピンドル部をチラー水で冷やすことも有効です。排気を取ることでカップ内の環境変化を抑え、廃液口を設けることでカップ内にたまる液を取ってあげれば連続運転もしやすくなるでしょう。スピンコートの環境に精密空調やイオナイザーを取り付ければ膜厚はより安定します。

ワックスのように熱で伸展性を上げつつスピンコートしたい場合は加熱式スピンコートもお勧めですし、粘性が高い場合は高速回転仕様が課題達成の一助となりうるでしょう。

基板が薄く模様のように吸着跡がついてしまうなら吸着穴をごく小さくしたり穴位置をずらすことも有効です。角基板四隅の不均一な膜厚にお困りでしたら密閉式試料台がお役に立てるかもしれません。

生産用でしたら基板搬送ロボットとドッキングすることで更に効率を上げることも可能です。

お客様が抱える様々な課題に対して、スピンコートメーカーとして経験を培ってきたアクティブならではのお手伝いができると自負しております。
是非ご相談ください。
スピンコーターの膜厚とは
塗膜を効率よく均一に生成するスピンコーター
(スピンコート機)

スピンコーター(スピンコート機)を選ぶ際の注意点

スピンコーターは半導体の製造や金属、レンズなどの幅広い分野で使用されます。また塗膜を効率よく生成するだけでなく、スピンエッジング洗浄や乾燥コーティングなどにも利用されています。

どの用途においても塗膜の厚みの均一さは課題となりますが、薬液の粘度や性質、基板の材質やサイズに合わせた仕様のスピンコーターと試料台を用いなければ課題達成が難しくなり、スピンコートの効果的な結果を得ることができなくなるので注意が必要です。

そうは言っても、いざ購入しようと選定を始め仕様をみたら、なにかひとつもの足りない事もあるでしょう。アクティブのスピンコート技術なら特注対応が可能です。

実際の現場では予算の問題もあり、なかなか満足のいくスピンコート装置を入手できないこともあるでしょう。中古のスピンコートを考えるケースもあるかもしれません。その前にぜひ一度アクティブにご相談ください。スピンコートの技術・開発・販売実績・サポートにおいて大いなる信頼を頂いているからこそ安心してお使い頂けます。

スピンコートメーカーの目線でお客様のご要望をできる限り汲んだスピンコーター、試料台をご提案いたします。
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スピンコーターは、効率良く塗膜を生成する機器です。
均一の塗膜生成には薬液の粘度や温度などの条件が関係していて、条件が変わると膜の厚さを均一にすることができなくなります。…
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まとめ

  1. 膜厚を均一にするためにはスピンコート条件の変化を極力抑える必要がある
  2. スピンコーターにオプションを追加し環境変化を抑える方法がある
  3. スピンコーター設置場所の環境を整えることも有効
  4. 手動ではどうしてもブレがでてしまう滴下量・滴下位置を揃える「自動滴下」も有効
  5. 連続運転ではモーターが熱を持つ問題も考慮すべき
  6. 角基板や薄い基板の場合は試料台の改良も有効
スピンコーターは高品質の塗膜を効率よく均一に生成するのに長けた手段ですが、ムラなく膜厚を一定にするためには技術が必要です。

求める膜厚の精度によっては、技術者の経験に基づいたスピンコートのプログラム、滴下量や滴下位置の調整に頼るだけでなく、スピンコーター自体の性能を上げ、設置場所の環境を整えるなどの工夫が必要になってきます。
生産用の場合は自動滴下を搭載したり、基板搬送ロボットとドッキングすることで更に効率を上げる方法などもあります。

お客様が抱える様々な課題を、経験豊富なアクティブがお手伝い致します。是非お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

株式会社アクティブ 技術担当T
株式会社アクティブへ2014年入社。営業や総務を6年担当し、以降製品の技術担当としてスピンコーター製品の保守管理サポートを行う。

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