スピンコーターは、効率良く塗膜を生成する機器です。
均一の塗膜生成には薬液の粘度や温度などの条件が関係していて、条件が変わると膜の厚さを均一にすることができなくなります。
今回は、そんなスピンコーターの熱問題を解決するための方法について、ご紹介していきます。
スピンコーターの発熱問題は、どのメーカーのスピンコーターでも課題になっている部分です。
スピンコーターにはモーターが内蔵されていて、これによって高速で塗膜が生成されます。
しかし、モーターが動き続けることで熱が発せられ、温度が徐々に上がってくるため、最初と最後の方では塗膜の厚みに変化が出てくる場合があります。
例えば、1回目と10回目の塗膜生成においては、膜厚に差が出てしまう可能性があり、膜厚の差はムラとなってしまいます。
熱により膜厚に差が生じることは事前に業者から説明されることも多いですが、各スピンコーターによって、どれくらい使うと差が生じるのかは分からない部分もあります。
そのため、スピンコーターの発熱対策はしっかりと講じておくと良いでしょう。
では、スピンコーターの発熱対策にはどんな方法が挙げられるのでしょうか?
・空冷式
一般的なスピンコーターに使用されている空冷式は、機器の中にファンが取り付けられています。
これにより、中に溜まった熱をファンで外に逃がすことができます。
ただし、連続使用することで中に熱が残ってしまうこともあるので、継続的な連続使用は避けましょう。
しばらくストップさせ、冷めたことを確認してから使うなど、インターバルの活用がおすすめです。
・水冷式
量産対応や大型のスピンコーターで主に使用されている水冷式は、水をモーターの中に入れて熱による温度上昇を防ぐことができます。
水を循環して熱を効率良く冷やす方法ですが、コスト面において費用がかかることから小型機器にはあまり使用されません。
購入後でも導入は可能ですが、後付けの場合はコストが高くなってしまうため、水冷式なら最初に導入しましょう。
これらの方法以外にも最初から機器を作動させておき(ならし運転後)、発熱した段階でスピンコートにかけて膜厚の差をなくす方法もあります。
このような工夫をすることで発熱問題は解決できるのです。
事前にどの機器に、どんな冷却方法が取り入れられているか、その特徴を知っておくと良いでしょう。